※本記事は、孫正義さんの歩みの節目を九星気学の年盤・月盤と照合しながら事後的に読み解く試みです。占い・予測・断定や、人物評価・投資判断を目的とするものではありません。

孫正義と九星気学

孫正義さん——あなたも、お名前くらいはご存じよね。ソフトバンクを率いて、世界中の投資家が「無謀だ」と首を振るような大きな賭けを、何度も繰り返してこられた方なんですよ。1兆円を超えるボーダフォン買収、約1.8兆円のスプリント買収、約3.3兆円のARM買収……ええ、桁が違うでしょう。この方が、ここぞという勝負どきに、どんな運気の風の中にいらしたのか。九星気学の盤で、そっと見てまいりましょうね。

■ 基本プロフィール(九星気学)

本命星 七赤金星(7)
月命星 二黒土星
傾斜宮位 坎宮(1)
生年月日 1957年8月11日

七赤金星はね、弁舌・交渉・お金、そして鋭い感性を司る星なんですよ。話す力で人を動かす——いかにも孫さんらしいでしょう。傾斜宮位は、この記事の計算では坎宮(かんぐう・正北)。「潜在力」「深いところへの跳躍」を意味する宮です。誰も飛び込まない深みに、ためらわず跳んでいく。あの大勝負の素地は、もとからこの方の中にあったのね。(傾斜宮位は算出法によって変わることもありますよ。)

📌 盤の見方:

金色 = 本命星


赤丸 = 五黄殺


紫丸 = 暗剣殺


橙丸 = 歳破・月破


点線 = 傾斜宮位

【1981年8月】ソフトバンク創業——坤宮の種まき、月盤は傾斜宮位・坎宮

1981年9月3日。24歳の孫さんが、福岡で日本ソフトバンク株式会社(いまのソフトバンクグループ)を立ち上げました。はじめはパソコンソフトの卸売り。社員は、たった2人よ。それなのにこの方、創業まもなく段ボール箱の上に立って、こう宣言なさったというの。「5年で売上100億、10年で500億、いずれ1兆円」。……あら。2人の会社で、1兆円。ふつうなら、笑い話でしょう。でもね、言葉にして言い切ってしまう、その宣言の力こそ、七赤金星の本領なんです。口にしたことを、現実にたぐり寄せていく。あなたにも覚えがありません? 本気で口に出したことだけが、なぜか叶っていく——あの感じ。

1981年 年盤(一白中宮)
西
年盤:七赤金星が坤宮
1981年8月 月盤(二黒中宮)
西
月盤:七赤金星が坎宮

1981年8月 ソフトバンク創業(1981年9月3日):年盤=坤宮、月盤=坎宮。干支は酉年。

さて、盤を見てまいりましょうね。(創業日の9月3日は白露より前なので、月盤は8月節・申月=二黒土星中宮月で読みますよ。)創業の年、七赤金星がいたのは坤宮(こんぐう・南西)。大地のように、母のように、じっくり受け止めて蓄えていく宮なんです。長い基盤づくりの、いちばん最初の一歩にぴったりの場所。そして月の盤では、坎宮(北)。——あら、これ、さっきの傾斜宮位と同じ宮ですわね。自分の本質に、すうっと還っていく配置。つまりこの創業は、孫さんが背伸びして始めたことではなくて、もともと持っていた強みのまんなかへ、まっすぐ帰っていく選択だったのね。凶殺もひとつもなくて、邪魔するものは何もない。気持ちのいい船出ですよ。

【2000年3月】ドットコムバブル崩壊と事業転換——震宮の「壊して更新する」

2000年の2月、ソフトバンクの株はぐんぐん上がって、1株7万6800円(株式分割後の換算)、時価総額はなんと20兆円超え。孫さんの個人資産は、一時あのビル・ゲイツさんを抜いたとも言われたんですよ。……ところがねえ。同じ年の3月、ドットコムバブルがはじけて、株価は真っ逆さま。資産の評価額も、みるみる溶けていきました。ふつうなら、立ちすくんでしまう場面でしょう。でもこの方は、退くどころか、事業の軸足をADSLのブロードバンドへ移す——と言い出したの。「Yahoo! BB」の本格展開は翌2001年9月から。安い料金で、日本じゅうにブロードバンドを広げていく原動力になった、と言われています。

2000年 年盤(九紫中宮)
西
年盤:七赤金星が震宮
2000年3月 月盤(四緑中宮)
西
月盤:七赤金星が艮宮

2000年3月 バブル崩壊・事業転換:年盤=震宮、月盤=艮宮。干支は辰年。

この時期、年盤の七赤金星は震宮(しんぐう・正東)にいました。震は雷の宮。「揺れ・動乱・壊して、また生む」を象意するんですよ。凶殺は出ていません。でもね、震宮のほんとうの気性は、壊れたあとにこそ新しい動きが生まれること。バブルという大きな幻が崩れ落ちた、まさにその直後に、孫さんがすっと次の事業へ舵を切ったこと——あれは、震宮の風とけっして無縁ではないのね。月の盤では、艮宮(ごんぐう・北東)。「立ち止まって、向きを変える」節目の宮です。資産がしぼんでいくその最中に、迷わず方向転換を決めた——そのふるまいと、ぴたりと重なって見えますよ。

【2006年3月】ボーダフォン買収合意——離宮と艮宮、名声の宮位での大型合意

2006年3月17日、ソフトバンクはボーダフォンの日本法人を買収すると合意しました。お値段、約1兆7500億円。当時のソフトバンクの体力からすれば「背負いすぎ」と映る買収で、NTTドコモやauという先輩たちの壁は高く、世間は懐疑的な目で見ていたの。それでもこの合意で、孫さんはとうとう携帯電話の世界へ、本格的に足を踏み入れました。

2006年 年盤(三碧中宮)
西
年盤:七赤金星が離宮
2006年3月 月盤(四緑中宮)
西
月盤:七赤金星が艮宮

2006年3月 ボーダフォン日本法人買収合意(2006年3月17日):年盤=離宮、月盤=艮宮。干支は戌年。

2006年3月の盤を見てみましょうね。年盤(三碧木星中宮年)で七赤金星は離宮(りぐう・南)、月盤(四緑木星中宮月)では艮宮(北東)。離宮はね、「見える化・公表・名声・世間への発信」の宮なんですよ。大型買収のニュースが、ぱっと社会に広まっていった——あの局面とよく合います。そして艮宮は「立ち止まり、変わり、次へ進む境目」の宮。携帯事業への参入という大きな方向転換の、ちょうど分かれ目ね。凶殺はなし。内も外も、邪魔するものの少ない場面での大きな決断だった、と気学では読めますよ。

【2006年10月】MNP開始・料金競争——離宮の発信、月盤暗剣殺の中での施策展開

2006年10月24日、携帯番号をそのままに会社を移れるMNPという制度が始まりました。孫さんはこの開始に合わせて、「予想外割」——端末を実質ゼロ円近くで出すスーパーボーナスとの合わせ技——など、攻めの料金作戦を次々と打ち出して、他社からの乗り換えを誘ったの。ちなみに、月980円・ソフトバンク同士は通話無料という「ホワイトプラン」の発表は、翌2007年1月のことですよ。

2006年 年盤(三碧中宮)
西
年盤:七赤金星が離宮
2006年10月 月盤(六白中宮)
西
月盤:七赤金星が乾宮

2006年10月 MNP開始・「予想外割」施策(2006年10月):年盤=離宮、月盤=乾宮。干支は戌年。

⚠️ 九星気学 凶殺チェック(2006年10月)

  • 月盤暗剣殺同会(七赤金星が乾宮=暗剣殺方位)——この月に潜む外圧・不測の事態。

2006年10月の盤です。年盤で七赤金星は離宮(南)、月盤(六白金星中宮月)では乾宮(けんぐう・北西)。この乾宮、実はね……月盤の暗剣殺と重なっているんですよ(六白中宮の月は、五黄が巽宮・暗剣殺が乾宮)。離宮の「発信・名声」で世間の注目をぐっと集めながら、足もとでは暗剣殺——「外からの理不尽な圧力、競合の強い抵抗」の風が吹いていた。先輩キャリア3社の激しい反発のなかで、それでも攻め込んでいった局面と、この配置はぴたりと重なって見えます。逆風のなかで旗を振る、というのは、なかなかできることじゃありませんよ。

【2013年7月】スプリント買収完了——兌宮での大型投資、再び月盤暗剣殺

2012年10月に買収の意向を発表して、2013年7月、約216億ドル(当時の円で1.8〜2兆円規模)でスプリント・ネクステルの株の過半を取得、買収を完了しました。スプリントは当時アメリカ第3位の通信会社。でも、ネットワークの質や競争力に課題を抱えていたの。孫さんは「3年でドコモ・auに並ぶ品質にする」と宣言なさいました。……けれどその後、設備投資と値下げ競争の重みで業績は伸び悩み、2020年にはT-Mobileへの統合という形で、事実上の幕引きを迎えることになります。

2013年 年盤(五黄中宮)
西
年盤:七赤金星が兌宮
2013年7月 月盤(六白中宮)
西
月盤:七赤金星が乾宮

2013年7月 スプリント買収完了(2013年7月):年盤=兌宮、月盤=乾宮。干支は巳年。

⚠️ 九星気学 凶殺チェック(2013年7月)

  • 月盤暗剣殺同会(七赤金星が乾宮=暗剣殺方位)——この月に潜む外圧・不測の事態。

2013年7月の盤を見ましょうね。年盤(五黄土星中宮年)で七赤金星は兌宮(だぐう・正西)、月盤(六白金星中宮月)では乾宮(北西)。あら……この月盤、2006年10月のMNPのときと、そっくり同じなんですよ。七赤金星が乾宮で、月盤暗剣殺。暗剣殺は「自分の努力とは関わりのない、外からの邪魔」を示す凶殺とされます。ボーダフォンのときは競合の抵抗、スプリントではアメリカの品質問題や競合の強化——どちらも外からの逆風として現れました。いっぽう年盤の兌宮は、七赤金星にとって自分の宮。スケールの大きな金融の決断、投資の判断が動きやすい配置として読まれます。攻めの星が我が家にいて、けれど月には逆風。……なんとも気学らしい巡り合わせですわね。

【2016年9月】ARM買収完了——傾斜宮位・坎宮への回帰、凶殺なしの純粋な決断

2016年7月18日、ソフトバンクはイギリスのARM Holdingsを約243億ポンド(当時の円で約3.3兆円)で買収すると発表、9月5日に完了しました。当時のイギリス企業のM&Aとしては、史上最大とされた規模よ。ARMは、世界じゅうのスマホの頭脳——プロセッサ設計のライセンスを握る半導体の会社。孫さんは「あと30年でIoTの革命が起きる。その中心にARMがいる」と語って、長い時代の流れへの確信から踏み切ったの。のちのビジョンファンド(2017年設立)への布石でもあって、ARMはソフトバンクグループの中核として働いていくことになります。2023年のNASDAQ上場では、買収額を大きく超える評価がつきました。

2016年 年盤(二黒中宮)
西
年盤:七赤金星が坎宮
2016年9月 月盤(四緑中宮)
西
月盤:七赤金星が艮宮

2016年9月 ARM買収完了(2016年9月5日):年盤=坎宮、月盤=艮宮。干支は申年。

買収完了の9月5日も白露の前なので、月盤は8月節・申月(四緑木星中宮月)で読みますね。年盤(二黒土星中宮年)で七赤金星は坎宮(北)、月盤では艮宮(北東)。——この坎宮、覚えていらっしゃる? 孫さんの傾斜宮位と、同じ宮なんですよ。年盤が傾斜宮位へ還ってくるのは「自分の本質、いちばんの強みへ集中していく」局面として読まれます。凶殺は、年も月も、ひとつもなし。ボーダフォンもスプリントも月盤暗剣殺の逆風のなかでの勝負でしたけれど、このARMだけは、外に急かされたのではない内側からの、純粋な決断として置かれているのね。

【2020年3月】Vision Fund損失計上——七赤本命中宮×月盤中宮、二重中宮の局面

2019年8月、ウィーワーク(WeWork)が株式上場の目論見書を出したのですが、財務の中身が明らかになると評価額はみるみる下がり、9月には上場そのものが取り下げに。ソフトバンクグループとビジョンファンドは、ここに約1兆円を投じていて、この躓きは大きな痛手になりました。同じ年の11月、孫さんは決算の説明会で、投資判断の誤りをご自分の口で認めたの。そして2020年3月期の決算では、ビジョンファンドで約1.8兆円規模の損失見込みが発表されました。(これはある指標にもとづく見込みで、最終的に確定した損益とは違う場合がありますよ。)

2020年 年盤(七赤中宮)
西
年盤:七赤金星が中宮
2020年3月 月盤(七赤中宮)
西
月盤:七赤金星が中宮

2020年3月 Vision Fund損失計上(2020年3月期決算):年盤=中宮、月盤=中宮。干支は子年。

2020年3月期の盤です。年盤(七赤金星中宮年)で七赤金星は中宮、そして月盤(七赤金星中宮月)でも中宮。——年も月も、自分の星がまんなかに座る「二重中宮」。これはね、めったに巡ってこない、とても珍しい配置なんですよ。中宮は「自分の本質と、正面から向き合う」局面の宮。金融・交渉・鋭い感性という七赤の力が、ぜんぶ内側へぎゅっと凝縮されたこの年に、孫さんは投資の誤りを公に認め、事業の根っこからの見直しを迫られました。逃げ場のない、まっすぐな対峙。凶殺は重なっていません。ある意味、いちばん深く自分と向き合わされる配置だったのね。

まとめ

年月 出来事 年盤宮位 月盤宮位 凶殺 結果
1981年8月 ソフトバンク創業(1981年9月3日) 坤宮 坎宮 なし
2000年3月 バブル崩壊・事業転換 震宮 艮宮 なし
2006年3月 ボーダフォン日本法人買収合意(2006年3月17日) 離宮 艮宮 なし
2006年10月 MNP開始・「予想外割」施策(2006年10月) 離宮 乾宮 月盤暗剣殺
2013年7月 スプリント買収完了(2013年7月) 兌宮 乾宮 月盤暗剣殺
2016年9月 ARM買収完了(2016年9月5日) 坎宮 艮宮 なし
2020年3月 Vision Fund損失計上(2020年3月期決算) 中宮 中宮 なし

こうして並べてみると、ね。孫さんは、凶殺のない追い風の年も、暗剣殺の逆風の年も、おかまいなしに大勝負を続けてこられた。暦のとおりに、おとなしくは生きていらっしゃらないの。暦のとおりにいかないのもまた、気学なんですよ。もし何にも挑まず、ただ運気に身をあずける方であったなら、同じ盤でも、もっと穏やかで……けれど少し物足りない時間になっていたのかもしれませんね。配置はあくまで、その年の風向き。その風をどう受けて、どこへ船を出すかは、いつだってご本人しだいなの。

——これは、あなたにも言えることですよ。いまが追い風でも、向かい風でも、どうか慌てないこと。盤はあなたを縛る鎖ではなくて、季節をそっと知らせてくれる風見鶏のようなもの。風はちゃんと巡ってきますからね。大丈夫。

よくある質問

Q. 孫正義氏は九星気学では何の星ですか?

1957年8月11日生まれの孫正義氏(ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長執行役員)の本命星は七赤金星です。月命星は二黒土星、傾斜宮位は本記事の計算エンジンでは坎宮(正北)と算出されます。なお傾斜宮位は算出法によって異なる場合があります。

Q. 七赤金星はどのような象意(意味)をもつ星ですか?

七赤金星(しちせききんせい)は、九星気学において「弁舌・交渉・金融・鋭敏な感性・刃物」などを象徴する星とされます。直感的な判断力と言語化能力が特徴とされ、交渉や金融的な決断を得意とする気質と符合すると読まれます。

Q. この記事は孫正義氏の経営を占っているのですか?

本記事は占いではありません。九星気学の年盤・月盤を「時代の文脈を読む東洋思想のフレーム」として活用し、過去に実際に起きた経営判断を事後的に照合・考察するものです。将来予測・投資判断・人物評価を目的とするものではありません。

Q. 暗剣殺・歳破とはどのような凶殺(きょうさつ)ですか?

暗剣殺(あんけんさつ)は、その月の五黄土星の正反対方位に重なる凶殺で、「外部からの不測の阻害・理不尽な妨害」の象意をもつとされます。歳破(さいは)はその年の十二支の対冲方位と重なる凶殺で、「年間を通じた計画の瓦解・損壊」を示すとされます。

※本記事は九星気学の観点から経営の節目を考察するものであり、投資判断等の根拠となるものではありません。